顎変形症治療

顎変形症の概要

顎変形症(がくへんけいしょう)とは上顎もしくは下顎が異常成長したために起こる、骨格位置や形状のために歯並びや噛み合わせに異常が出ている症状のことをいいます。
代表的なもので骨格的に問題があるしゃくれや受け口、出っ歯等の程度が著しい症例の場合、顎変形症治療が必要となります。
通常の矯正治療だけでは十分な結果が出せなかったような難しい歯並びも、症例の多くが外科的手術を併用することで満足のいく結果を出すことができるようになりました。
また手術自体は大学病院で行いますので、医院が大学病院ときちんと連携が取れていることが大切です。

外科的矯正治療の適応症

  • 下顎前突症(しゃくれ)
  • 上顎前突症(出っ歯)
  • 開咬(上下の歯が噛み合わない)
  • 過蓋咬合(噛み合わせが深すぎる)
  • 交叉咬合(上下の歯が交叉して噛み合う)
  • 口唇口蓋裂(先天性による上顎〜唇〜口の中に生じる裂)

主にいただくご相談の例

顎変形症の方からのご相談は「顎がしゃくれている」「顎が著しく小さい」「顎が大きく歪んでしまっている」「出っ歯で上の歯茎が大きく目立つ」などのお声からスタートすることが多いです。
矯正治療のみでは改善が難しいケースに対し、外科的治療も併用することで、噛み合わせの改善とともに顔貌の改善もされます。

顎変形症の治療手順

顎変形症により外科手術が必要と判断され、患者様がご希望されても、すぐに外科手術を行うわけではありません。
外科手術後に患者様が理想とする咬み合わせ・顔貌を実現するために、手術を行う前にも矯正器具を装着して手術前矯正治療を行い、正しい噛み合わせに位置を矯正していきます。

  1. 精密検査・顎機能検査による診断
  2. 手術前矯正(約1〜2年程度)
  3. 外科手術(入院期間含めて1〜2週間程度)
  4. 術後矯正(約半年〜1年程度)
  5. 保定治療(約2~4年)

完全に矯正が終了するまでには約1年半〜3年ほど時間がかかりますので、きちんと信頼できるドクターの下で治療をすることが必要です。

顎変形症の外科治療のデメリット

歯の矯正に合わせて顎の骨を切除する外科手術を行うため、外見が劇的に変化します。
「しゃくれている」「受け口になっている」等で悩んでいる方はとても満足のいく結果がでると思います。ですが、本格的な手術になるためデメリットもあります。

  • 全身麻酔でのリスクが生じる
  • 手術後1〜2週間ほど入院にかかる
  • 手術後3日程度は吐き気、鼻血、顔面麻痺等の症状が出ることがある
  • 術後一定期間、口も少ししか開かないため食事がしにくくなってしまう

当院ではそのようなデメリットまできちんとお伝えをした上で、患者様とご相談をしながら一人一人に最適な治療計画をお立てしております。

保険適用で治療が可能

外科的治療を行う際は、他の矯正治療とは違い全身麻酔をかけて大々的な手術を行っていきます。
そのため健康保険が適用できます。矯正と入院費にかかる費用の3割が患者さん負担になります。
そのほかにも医療控除や高額医療助成金制度の使用もできるので自由診療で行う場合とくらべて治療費がだいぶ抑えられます。
どの程度の治療費になるかは患者さんの症状により術前矯正や術後矯正の期間にも差が出てきますので、一度精密検査を行って診断を行っていきましょう。

大学病院との連携で外科処置もしっかりと行います

東京大学医学部付属病院顎口腔外科、東京医科大学歯科口腔外科、三井記念病院歯科口腔外科の3つの大きな医療機関と連携し、治療に必要な外科処置も安心して受けることができる体制を整えています。
いきなり大学病院で顎変形症の治療を行おうとするとなかなか予約が取れなかったり待ち時間が長かったりします。
まずは当院できちんと精密検査を行い、提携する大学で外科処置を行う方が患者さんの時間的負担も減らしてスムーズに治療対応できるので、治療期間が長くなる顎変形症の治療をお考えの方にはおすすめです。