口唇口蓋裂治療

口唇口蓋裂について

口唇口蓋裂とは

口唇口蓋裂とは、先天性異常の一つであり、見た目では唇や上あご(口蓋)に裂け目が入っている状態になります。
胎児がお腹の中で成長する際、胎児の顔は左右にある細胞が癒合されることに作られていきますが、その癒合がうまくいかなかった場合に、裂け目が残ってしまいます。
唇に裂け目が残っている口唇裂、顎の骨が裂けている場合は顎裂、口蓋(口の中の上側の部分)が裂けている場合を口蓋裂といいます。

口唇口蓋裂の原因と治療法

妊娠の初期(顔や口蓋が形成される妊娠2~3か月ごろ)に胎児に異常な力が加わることにより引き起こされます。
母体に精神的なストレスがある場合、栄養不足であった場合、副腎皮質ステロイド薬や鎮痛剤などを使った場合もリスクは高まります。
また風疹にかかったり、放射線照射を受けたりすることなども要因として挙げられています。

第一発見自体は出産をした病院であることが多く、その大学病院や場合によってはご自身で探された医院などで口唇裂形成手術や口蓋裂形成手術を行うケースがほとんどです。
口唇口蓋裂では口唇や口蓋の手術後に歯の生え方が乱れるので、矯正治療が必要になることが多いです。

口唇口蓋裂における当院の役割

先程述べたように、術後は上あごの発育がよくなかったり、裂があった影響で歯の生え方に異常があることが多くあります。
そこで、咬み合わせをよくしたり顔のバランスを整えたりするために、矯正歯科治療が必要になってきます。

その際、頻繁に大きな病院に通われるのは診療時間や待ち時間の関係上、通院をするのが非常に大変だという声をよくお聞きします。
当院では東京大学医学部付属病院顎口腔外科、東京医科大学歯科口腔外科、三井記念病院歯科口腔外科と連携をしていることから、個人医院の方が通院とお考えされている多くのお母さんとお子さんに気軽に通っていただいています。

矯正歯科治療を始める時期は、患者さんの状態や発育(歯の生え方、噛みあわせの状態)によって異なりますので、まずは一度医師にご相談ください。

矯正治療を始める時期ごとの当院のアプローチ

乳歯の時期

永久歯が生える前に、大学病院で腸骨移植して歯の生え変わりを助けるなどを行うことで本格的な矯正治療をおこなうための土台作りを行います。

(※また場合によってはその移植前に矯正治療をおこなうこともあり、大学病院と連携して骨移植時期を測りながら治療を進めています。)

乳歯、永久歯が混合している時期

前歯が生え変わる位のタイミングで、噛み合わせや歯並びを整えるための矯正治療を始めます。
また、後々行う歯や顎の裂部を骨移植するための準備を行います。

(※こちらも場合によっては先に矯正治療を始める場合があります。大学病院と連携しながら治療を進めていきます。)

永久歯に生え変わった時期

永久歯が生えそろってくると同時に、歯並びや咬み合わせに対し、本格的な矯正治療を始めます。

矯正のタイミングに関してはご判断が場合によって異なりますので、一度医師にご相談下さい。